スターフィッシュ‼︎
そして、フロアにBGMが流れ始め、イベントは終了した。
「とりあえず、後はまかせとけ」
ゆーたがあたしの肩に手を置いて、心配そうな顔をしている良夫さんと一緒にフロアに出ていった。
王子も、ステージから直接フロアに降りたようで、ファンの皆と話をしている声が聞こえてきた。
「美緒ちゃん……、声、出る?」
「……は、い」
雪乃さんの問いかけに対して、あたしは息が詰まりながらも答えることができた。
「来週の本戦までは、ちょっと休んで落ち着こう、ね。今日はこのまま送っていくから」
「はい……。心配かけてすみません……」
気持ちが落ち着いた今は、普通に声が出るようなので、喉の病気とかではないと思うんだけど……。
楽屋から受付に直接繋がっている機材搬入口から、
あたしたちは外に出て、そのまま雪乃さんの車で送ってもらい、あたしは家に帰った。
本戦でも、同じように歌えなくなったら、どうしよう。
怖い。
怖いよ……。