スターフィッシュ‼︎
良夫さんのリズムに合わせて、王子はベースを奏でている。


そこに、

「しゃー! 待たせたなー久々だからチューニングてこずったわー」

という大声とともに、勢いよく歪がかった音が響く。


ゆーたも王子と同様、明るい木目のギターを低めに持ち、

それをかき鳴らす。


わわわ、教室じゃ授業も聞かず寝てばっかのゆーたが!?

うう、眩しい。


「準備はいいな、じゃジターバグからいくぞ」

と、王子が大声で良夫さんに叫ぶ。


「は、はいっ!」

と言って、良夫さんはタムを回してから、奏でていたリズムを止めた。


それに合わせて、王子とゆーたも音を止め、目を見合わせる。

あたしも、集中、集中!
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