スターフィッシュ‼︎

ヒィィィィ!!

クビ宣告くるーーー!?


「明日までにバンド名の候補考えとけ」


……ほぇ!?

マイクを片手に、目をパチパチさせるあたし。


ば、バンド名?

これって……もしかして。


「しゃー! これからぶちかましていくべー!」

ゆーたがそう叫び、再びジャリーンと歪んだ音をスタジオに響かせた。


良夫さんを見ると、涙をぬぐいながら嬉しそうにバスドラムを踏んでいた。


「早速、次! シャカラビの行くぞ!」


王子の掛け声とともに、

再び、良夫さんのカウントが始まった。



歌うことってこんなに楽しいんだ。

バンドってこんなにワクワクするものなんだ。


スタジオでの2時間が、あっという間に思えるほど、

あたしは、ずっと興奮と楽しさに支配されていた。

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