スターフィッシュ‼︎
「お前らが抜けてくれたおかげでミーハー女子もいなくなったし、マジ皆元気だよ」
と、ギターケースを背負った、赤髪ピアス男が嫌味っぽく王子に言った。
「そっか、それは良かったね。バンドには女の子ファンは不可欠だから、これからチケットさばくのとか大変そうだね」
王子はそう言いながら、再びニッコリと笑った。
「はんぁあ!? お前、本当に腹立つよな! このビジュアル系の王子様が~」
ヒィィィ!! 何この一触即発ムード!
軽音楽部の人たちかな。
あたしは良夫さんの後ろに隠れて、そーっと様子を覗いた。