スターフィッシュ‼︎

「あ、あの……その……」


あたしは顔も体も口も、すべてが固まってしまったようだ。


とりあえず、心地よい風が吹いているはずなのに、

一切風になびかないツンツンヘアをあたしは見つめていた。


「ごめんね、突然。でも俺らのライブ見たら、美緒ちゃん絶対俺に惚れちゃうと思うから。じゃーまたね」


はいーーーー!?

な、何だったんだーー!?


あたしは、スタスタと屋上から去っていく、

そのツンツンヘアの後姿を見届けることしかできなかった。
< 82 / 434 >

この作品をシェア

pagetop