メガネくんの図書室 短編
今、多賀峰が見てるのは占いコーナー。


あそこは本がいっばい詰まってて取りにくいんだよな…。


俺は多賀峰に近づく。


危なっかしくて見てらんねー。


「多賀峰、俺が取るからどいて」


「東条先輩!?あの…自分で取ります」


なんで、顔赤くすんだよ?


「いいって、それで、どれが取りたいの?」


「あの…ホントに自分で…」


多賀峰は椅子からどこうしない。


たくっ…。


俺はヒョイッと多賀峰を持ち上げる。


「キャッ」


と声を出す多賀峰を、俺はおろす。


結構軽いんだ…。


「で、どれ?」


俺は、椅子をどけて、本棚の前に立つ。


「だから、ホントに…」


「いいから」


「右端の…本です…」


右端ね…。


これか…。えっと…『両思いになれるおまじない』…おまじないか…。


つーか、多賀峰好きな奴いたんだ…。


ズキッ


…?



< 13 / 26 >

この作品をシェア

pagetop