メガネくんの図書室 短編
多賀峰あかり、アイツと出会ったのは図書室だった。
一生懸命一番上の棚の本を取ろうとするソイツを見てたら、何か可愛くて、意地悪したくなった。
つーか、本を取るための椅子があんのに何で使わねーんだ?
それが最初の疑問。
背伸びして「ふぬぬぬー…」とか言ってるソイツを見てると笑いが込み上げてきた。
俺は、ソイツに近づいて言った。
「何で椅子、使わねーの?」
って、椅子を指差した。
「ほえっ?」
とか、変な声出すし…。
また、笑いが込み上げてきた。
「お前、名前は?」
笑いを抑えて聞くと、ソイツは
「多賀峰あかりです」
と、笑顔で答えた。
「俺は、東条羅威、それで?何で椅子使わねーの?」
「えっ?…あっ…。あったんだ…」
てか、気付いてなかったのかよ…。
こーゆうのって、何て言うんだっけ…。えっと…あれだ…!
「天然」
「へっ!?」
思わず声を出して言ったら多賀峰は驚いた声を出した。
やっば可愛い。ふわふわしてそーな肩までの髪に、くりくりした黒目、一目見たらほんとに可愛いって思う。
…それから、多賀峰は図書室に来るようになった。