強くて弱い女



「皆に聞いてほしい。」





私は覚悟して教壇に上がった。





皆は真剣な顔で私の顔を見た。





「私は皆が知っている通り中学生時代暴れていた動く凶器だ。あの頃の私は喧嘩ばっかりしてて友達もいなかったし皆みたいに優しく話しかけてくれる人はいなかった。だからここで変わりたかったんだ。」





私は一度ためらったがあの事を言うことにした。





「実は、私は好きだった奴を不良の世界で亡くした。そいつは喧嘩はもちろん強いんだがそこらへんの奴とは違って無駄な喧嘩なんかしなかった。プラス思考な奴で学校でも男女問わず人気者だったんだ。私はあいつと出逢い、少し変われたように思っていた。でも、ある日あいつは私をかばって死んだんだ。」





クラスの空気は重くなる。





でも、今話さなければいつ話すことが出来るだろうか。





そう自分に言い聞かせ言葉を続けた。





「それからの私は最悪だった。売られれば買っていた喧嘩を毎日自分から喧嘩を売って何者かに憑かれたかのように喧嘩をして相手を徹底的に痛めつけた。そんな毎日を送っていた時、ふとあいつの口癖を思い出したんだ。その口癖ってのが「「後悔したって何も得しないんだぜ?だったら前に進んだ方がよくね?」」だった。私はその時、変わらないとって思えたんだ。」



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