強くて弱い女
私は少し間を置き
「そんなわけないだろ。康平は・・・・死んだんだ。」
と言った。
康平は私の目の前で死んだではないか。
私をかばって・・・・・喧嘩相手の奴の車に引かれたじゃないか。
「愛華さん・・・。」
「用件はそれだけ?」
「は、はい。」
「じゃぁ切るぞ。」
「はい、失礼しました。」
これ以上、冷静に話す事は出来なかった。
康平を思い出せば胸が苦しくなる。
あの時、私がちゃんと周りを見ていたら康平は死なずに済んだ。
そう自分を責めて後悔という文字で頭の中がいっぱいになる。