冬恋〜本当の恋〜





ガラッッ






勢いよくドアがあいた





「享!」



振り返って見ると本当に享がいた






「ねー、享〜。りりって海斗のこと好きなんだって!」






……

やめて…

言わないで…






「だから?」



「えっ……!」




「だから、何?」



「つかさー、この黒板なんなの?」





「りり、行こーぜ。海斗、そろそろ自分の教室に戻れよ」




「お、おぅ。」






――――――――――――
「りり…。」



「……ヒック…ヒック」


ぼろぼろと涙がこぼれてきた。

泣くつもりなんて、なかったのに…





ふぁっ



温かくつつみこまれた



「享…?」



「無理すんなよ。泣けば?」



涙が止まらなくなった。
享のせいだよ。


…そんなに急に優しくなるから…






……

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