【完】優しい彼の温もりに包まれて
「捺稀から全部聞いた。大変なのに気付いてやれなくてごめんな…」


捺稀、話してくれたんだね


こんな事にならなかったらあたしが話すつもりだった


「本当は…淋しかったんだよ?お母さんのことも信用出来なくて唯一、頼れたのが丈瑠だけだったんだよ!!」


なのに…なのに…


……ハァ…ハァ…ハァ…


叫んだら急に苦しくなった


「瑠夏!?」


息が荒くなったのに気付き丈瑠があたしの名前を呼ぶ


「くる…し…息が…」


……何これ?


「どうしたんだ?」


丈瑠はあたしを覗き込んだ


「苦しいよ…」


丈瑠はあたしの背中を摩ってくれた


「息が…でき…ない。丈瑠…助けて」


あたしは丈瑠から離れ、その場にしゃがみ込んで意識を失った


丈瑠の名前を呟きながら…
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