【完】優しい彼の温もりに包まれて
「瑠夏は俺が初めて本気で好きになった奴なんで…」


こんな優しい子に出会ったのは瑠夏が初めてだったんだ


「苦しめないでくれません?いくら瑠夏の両親だからって許しませんから」


「出てって…」


いつもより低い瑠夏の声


「せっかく出来た瑠夏の居場所を無くさないで下さい」


実頼さんは何も言わなかった


いや、多分…言えなかったんだろう


俺の迫力に負けたのか何も言わずに出て行った


実頼さんが出て行って静かになった部屋


部屋に居るのは俺達だけ


「丈瑠?いつもごめんなさい」


「謝らなくて良い。少しはすっきりしたか?」


俺は聞きながら瑠夏の頭を撫でる

瑠夏は目に涙を溜めながら小さく頷いた

そんな瑠夏の涙を制服の袖で拭う
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