【完】優しい彼の温もりに包まれて
「美貴ちゃんと抱き合うのは止めてよね。あたし、朱音ちゃんと抱き合ってたとこ見てたんだから」


見られてたんだ…


「分かってる。瑠夏、行ってくる」


「ちゃんと戻って来てね?待ってるから」


俺は安心させるように笑顔で頷き美貴のところへ行く


「屋上行くか…」


美貴は小さく頷いた


「…で、なんで来たんだ?」


フェンスに寄り掛かりながら聞く


「今更だけど、本当にごめんなさい…!!」


まさか謝るなんて思わなかった


「本当はあんなことするつもりはなかったの…」


「……はっ?」


「丈瑠に再会したあの日、凄く嬉しかった。“また一緒に居られるんだ”って。だけど隣には瑠夏ちゃんがいた」


美貴は目に涙を溜めながら話しを続ける
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