【完】優しい彼の温もりに包まれて
「なんで居るの?」


丈瑠にバレないように隠れたつもりだったのに


「待ちくたびれたんだよ。なかなか戻って来ないから」


…ちゃんと戻るって言ったのに。


丈瑠もお父さんと一緒で心配性なんだから


「お前が変なヤツなら奪おうと思ってたけど瑠夏に対しては優しすぎるんだな。瑠夏の言うことが分かる気がするな」


ハハッと笑う響


「お前に瑠夏を無理矢理奪われても奪い返すけどな?」


「お願いだから喧嘩はしないで!!」


喧嘩だけは嫌なの


あたしは丈瑠に抱き着いた


「大丈夫。殴り掛かったりはしないから」


丈瑠はあたしに優しく語りかける


「瑠夏、幸せになれ。俺の分まで…」


「響も本気の恋…見付けてね?」


「あぁ、分かった。またな。」


響はスッキリとした顔でこの場を去っていった
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