2人のアタシ。



「あはは、莉子どんまい!」


職員室を出ると、うるさい女が待っていた。

そう、あの"マリ"って子。


「マリ、ごめんね。帰ろっか」

「うん。山ちゃん何だって?」


山ちゃんって…担任か。
名前は山田ってとこかな。


「なんか、居眠りするなって」

「はあー?莉子は今日具合悪いからしょうがないじゃんねえ?」

「だよねえ?」


どうやらマリは友達想いの子らしい。

リコは、良い彼氏と良い友達を持ってるんだね。




私とは大違い。




♯♯♯




夜。

私はいつものように服を着替え、濃い化粧をして夜遊びに出かけた。


服装と化粧で、リコとアンナの区別はつく。

だから私がリコと間違われることなんてないし、リコの振りをする必要もない。

私は夜遊びを思う存分楽しめるの。
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