2人のアタシ。


「アンナ〜次はどこ行く?」


私の肩に腕を回し強引に引き寄せるこの男は、ユウマ。

いつもつるんでる仲間の一人で、最近よく一緒にいる。
どうやら私のことが好きらしい。

ちなみに、私には彼氏はいない。

めんどくさいし。


「ん〜…」


どうしよ。
ホテルでも行こうかな。

でもそこでリコが現れると厄介なことになるんだよなあ…。


そんなことを思っていると、遠方に見覚えのある人物を発見した。


「あれ、あの人…」

「ん?アンナあの男知ってんの?」

「まあ…」


ついさっきまで会ってた人。

担任の…確か山田が一人で歩いていた。

何やってんだろ。


「まあいっか」


今話しかけてもめんどくさくなるだけだしね。

私はほっとくことにした。
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