2人のアタシ。
「!!直樹くん!」
それは私の彼氏。
坂本直樹くん。
「ちょうど良いじゃない、旦那に保健室連れてってもらいな!」
「え、ちょ、」
直樹くんの登場とマリの言葉に動揺して、うまく言葉が出せなかった。
旦那って…!
それから私は、反論する間もなく保健室に連れていかれた。
「じゃあ、休み時間迎えに来るから」
ベッドに入った私を見て直樹くんはそう言い、1時間目の授業に向かった。
良い人すぎる。
私にはもったいない。
直樹くんは、どうして私なんかと付き合ってるんだろう…。
直樹くんがアンナに会ったら、どうなるんだろう…
ビックリするかな?
変な人って、軽蔑するかな?
それとも…アンナの方を好きになっちゃうのかな…?
そんなことを考えているうちに頭痛はますますひどくなり、私はいつの間にか意識を遠ざけていた……。