ババヌキ
出会う。
椅子として座っていたベッドの上で、はじめてキスしてしまった。好きとかそういうんじゃなかった。ただ、眼が合ってしまった。ただ…嫌いじゃなかった。 彼の事を知ったのは、高校に入学して1年が過ぎようとしていた時だった。あたしは商業高校に推薦入試を受けて入学した。商業高校なだけあって、スポーツが盛んで、あたしは母の影響あって、バレーボールがやりたくてこの高校を選んだ。将来の事なんて考えもしなかったし、そんなことよりもこのときのあたしはバレーボールがやりたい一心でこの高校しかないと勝手に決めていた。
商業高校の経営科だった。同じ経営科でも2クラスあった。頭のレベル的にはどの科よりも劣っていた。けれど、スポーツは優秀だった。 彼もあたしも同じ経営科のバレーボール部だった。けれどクラスは違った。だから、1年も近くにいながも、お互い知り合う事もなかった。
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