コウカイノウタ
「しかたないなぁ…出会う場は作ってやるけど、そこから先はちゃんと自分でがんばるんだよ。俺にだって助けてやれる範囲はあるからさ。」

やっぱりお兄ちゃんになっちゃうんだよね、智也は。そういうところが居心地良くて。ずっと兄貴がほしかった私にとってはホントに大事。

「ありがとう!!もう、大好き智にぃ!」
「智にぃって…まぁ、がんばれよ。」

そして、あまりにも不自然な組み合わせの飲み会をセッティングしてくれた。ばれちゃうよ、これじゃあ(笑)

緊張のせいで私は飲みすぎてしまった。グダグダになりながら
「好きです、付き合ってください」
って、無理だよ。あぁ、せっかくの出会いが…って後悔する余裕なんてあるわけもなく、記憶をなくすぐらいの酔っ払いになって、和君は引いていたのかな…それすら記憶がない。

気づいたら一人ぼっちの自分の部屋で、朝を迎えていた。

どうしよう、智也に怒られる。

ーー受信メール2件ーーー

(さやか最低だったよ昨日。もう、もっとチャンスを大事にしなきゃ。あんなんじゃ、軽い女に見られちゃうよ。)

げげっ、智也からの説教メールだ。二日酔いに輪をかけて頭が重くなった。
もう一件はと…誰だ?このメアド・・・!?!?

(ちゃんと帰れたかな?かなり酔ってたね(汗)今日は日曜日なので、お母さんの仕事手伝ってるよ。二日酔いには、きついわ。)

って和君!?あれ?メアド交換できてたんだ。どうしよう、こういうときどんな感じで返事したらいいんだ??何もなかったように返すべきか…いや、まず謝らないと。うん、謝って、お詫びになんかご馳走するとか…って図々しいのかな…ってもうっわかんない!!とりあえず送信しちゃえ!!

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