だからこそ、キミは。



『それは…。』

「意味わかんないんだけど!」




弁解の言葉は、言い終わる前に梨花に遮られて。

なにも言わずに、私を睨んでるのは後ろの2人。



心なしか、梨花な目には涙が溜まっているような気がした。




「爽が好きだった人って…。美優だったの!?」




……ねぇ。


なんで梨花は、泣いているの?




『……っ。』




なにも言えなくて、噛み締めたような呼吸だけが、宙を舞った。



目の前にいるのは、メイクがボロボロになるぐらい、涙を流している梨花。



< 102 / 437 >

この作品をシェア

pagetop