だからこそ、キミは。
吐き捨てるように、私が尻餅をついたのを見てから、後ろへ振り向く梨花。
梨花はそのまま、なにも言わずに私を置いて去っていく。
あとの2人も、梨花に続くように、私を睨みながらも後ろを向いた。
『……。』
なにも、言えない。
去っていく3人の背中でさえ、見ることができない。
私も3人も、もうびしょ濡れだった。
『…泣きたいのは、こっちだよ。』
ポツリと、梨花たちが見えなくなった視界に呟く。
地面に着いたままのスカートに付いてる泥が、ネチョリと嫌な音を立てた。