だからこそ、キミは。



私が悪いのだろうか。
誰が悪いのだろうか。



そもそも、恋に誰が悪いかなんて、存在するのだろうか。




“友達の好きな人を取るなんて…”



梨花の言葉が、エコーのように頭に流れる。


煮えきれない想いが、頭の中を渦巻いた。




……だって、私たち。



“最低だね”




ちゃんと、友達だったの?





『……。』




濡れて。濡れて。濡れて。



濡れて真っ直ぐになった髪の毛から、一筋だけ雫が落ちて。



こんなの、本当にあの日と一緒じゃん、って思う。



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