だからこそ、キミは。



タバコの独特な香りが、辺りを充満する。



タバコそのものも、タバコを吸う人も、実は言うとあまり好きじゃない。


だけど、なぜかタバコの匂いだけは全然平気。むしろ、好き。



…先生のタバコを吸う姿も、嫌いじゃないかもしれない。



「……。」



それは、同じ空間にいて心地がよい沈黙だった。



決して、気まずくなくて。

なにも喋ってないのに、心がまるで通っているような。



優しい、優しい、沈黙。




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