だからこそ、キミは。
……だって、私。
一人でお弁当、食べたくない。
できることなら、昨日のように爽くんたちと食べたい。
素直に自分の気持ちを言ったら良いんだけど、それができないのは梨花が目の前で私を睨んでいるから。
「…どっち?」
―…“どっち?”と聞きながらも、最終的に選択肢は一つしかないんでしょ?
私が“食べない”と言うことを望んでるくせに。
“食べる”という選択肢なんて、最初から選ばせないくせに。
わざわざ聞いてくる梨花の腹黒さに、ちょっとした怒りを覚えてしまう。