だからこそ、キミは。
だって私には、梨花に反抗するような勇気がないから。
梨花にこれ以上、嫌われたくない。
…既に嫌われていたとしても。
まだ私には、梨花の機嫌をとるのをやめることなんて、できないんだ。
『…今日は、一緒に食べるのやめとこうかな。』
最初から、一つしかなかった選択肢。
私には、それを選ぶしか他がない。
「……。」
『久々に、教室の外で食べることにする。』
爽くんの心配したような視線が気になったけど、私は必死に梨花の手を汚さないように取り繕った。