だからこそ、キミは。



私が自らこの道を選んだのだと、自分自身に必死に言い聞かせた。


なぜだか緩みそうになった涙腺を、崩れそうな笑顔で必死に持ちこたえる。



「そっか。じゃあ、また今度食べようね。」




そんなこと、思ってないくせに。
そんなこと、微塵も感じてないくせに。


口先だけのセリフを並べ、満面の笑顔を見せる梨花を見てると、なんだか悔しくなった。




『……うん。』




なんで、私だけがこんなめに合わなきゃいけないの、って。

なんで、こんな時だけ優しい言葉をかけるの、って。



嘘だと解っていて、腹立たしく思う反面、

少しでも嬉しく感じてしまった私が、馬鹿みたいじゃない。



< 183 / 437 >

この作品をシェア

pagetop