だからこそ、キミは。
「…ったぁ…。」
私の鼻は、思いの他ダメージが強かったみたいで。
私を見て驚いたあと、先生は時間差で静かに顔を歪める。
そんな先生を、私はぼんやりと眺めることしかできなかった。
『…なんで、ここにいるの…?』
小さく、小さく、かすれるような声で呟いて。
どこか安心感を覚えた私の胸は、さっきこらえていた涙腺を緩めさせていく。
ここは学校だから、先生がいるのは何も不思議じゃないんだけど、気が動転している私の心はそこまで働かなかった。