だからこそ、キミは。
『…なに言ってるんですか、先生。』
「いや…。」
『そんな重たいこと言わないですよ。お弁当食べにきただけなのに。』
…そう。それだけのことだから。
先生のちょっとした可愛らしさが見えただけでも、ちゃんと笑える。
先生も、ちゃんと人間なのだと。
普段は見ることができない先生の姿を見るだけで、緊張がほぐれていくのを感じた。
「…もういい。弁当食べよう。」
―…先生は、私を自然体にする天才だと思う。
今みたいに、顔をほんのり赤らめながら、話題を逸らす姿とか。
ちょっとしたことで、私を無意識に笑わすことができるんだから。