だからこそ、キミは。



『…なに言ってるんですか、先生。』

「いや…。」

『そんな重たいこと言わないですよ。お弁当食べにきただけなのに。』



…そう。それだけのことだから。



先生のちょっとした可愛らしさが見えただけでも、ちゃんと笑える。



先生も、ちゃんと人間なのだと。

普段は見ることができない先生の姿を見るだけで、緊張がほぐれていくのを感じた。




「…もういい。弁当食べよう。」



―…先生は、私を自然体にする天才だと思う。


今みたいに、顔をほんのり赤らめながら、話題を逸らす姿とか。


ちょっとしたことで、私を無意識に笑わすことができるんだから。



< 198 / 437 >

この作品をシェア

pagetop