だからこそ、キミは。



『……先生。』



お弁当を食べていた手を止め、不意に握られていたお箸を机に置く。


お箸のカランという空を切ったような音が、部屋に響き渡った。




「……ん?」




口数は少ないけど、ちゃんと私の目に視線を向けてくれる先生を見ると感じる。



―…大丈夫。


この人だったら、ちゃんと受け止めてくれる、と。



先生になら、今まで誰かに言いたかったこの気持ち。

…誰にも言うことができなかった胸の内を、さらけ出せる気がしたの。




< 200 / 437 >

この作品をシェア

pagetop