だからこそ、キミは。
『……先生。』
お弁当を食べていた手を止め、不意に握られていたお箸を机に置く。
お箸のカランという空を切ったような音が、部屋に響き渡った。
「……ん?」
口数は少ないけど、ちゃんと私の目に視線を向けてくれる先生を見ると感じる。
―…大丈夫。
この人だったら、ちゃんと受け止めてくれる、と。
先生になら、今まで誰かに言いたかったこの気持ち。
…誰にも言うことができなかった胸の内を、さらけ出せる気がしたの。