だからこそ、キミは。
『私は、梨花が羨ましい。』
だって私は、梨花の自分の気持ちに真っ直ぐなところに、ずっと憧れを持っていたんだから。
「……。」
『私は、自分の気持ちに素直になんて、行動できないからさ…。』
いつだって私は、他人の目を伺ってばかりいた。
梨花の目、佑くんの目、爽くんの目、クラスメートの目。
いつだって、思考の中心は自分ではなく他人で。
嫌だと思ったら、嫌だと伝える。
自分がしたいように、行動する。
全てがそれで良いとは、もちろん思わないけど。
それでも私は、梨花のように自分に素直に行動したかった。