だからこそ、キミは。
梨花もチャイムに気がついたのか、静かに顔をあげる。
その瞬間目がバッチリあったけど、ツンとしながら目を逸らす梨花は、やっぱり梨花だ。
『…梨花。』
「……。」
『私、もう行くね。』
授業だって、出たいし。
もうすっかり泣き止んだ梨花は、放って置いても大丈夫だろう。
だって梨花は、強いから。
「……。」
無言で背を向けたままの梨花は、いつまで経っても頑固。
そんな梨花をひとまず置いておくことにする。