だからこそ、キミは。



「…冗談はそれくらいにして、ちゃんと教科書を開きなさい。」



先生が、私の元から離れていく。



一歩、また一歩と。

笑顔を見せてくれないまま、授業に戻ってしまった。




『……。』



先生って、こんなに冷たい人だったっけ?



私と2人きりの時に見せてくれる顔とは随分違うから、なんとなく戸惑う。



だけど私だけに優しい顔を見せているのなら、授業中は冷たくても良いと思ったんだ。



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