だからこそ、キミは。
先生、佑くん。
佑くん、先生。
頭の中には、交互に2人の顔が映しだされていて。
やっぱり私、さっきは無理やりにでも、先生を引き止めればよかったかもしれない。
「……アイツ。」
佑くんが、喉に引っかかったような声で、うずめくように呟いた。
惹きつけられるように、上げていた顔。
佑くんの感情の掴めない表情に、目が離せなくなる。
「――望月センセイと、仲が良いの?」
まるで、敵意が入ったような声だった。