だからこそ、キミは。



佑くんが響かせた“先生”という単語が、怖いぐらいに色がなくて。


“先生”を先生とは思ってないような、感覚。



ふいに佑くんの声とは対照的な先生の笑顔が思い浮かび、私は強く手のひらを握る。



『……なんで?』




“仲は良いよ”とは、言わない方が良い気がした。



先生の名誉が、地位が、職が、傷つけられるような気がして。


この時の私はまるで、“禁断愛”の主人公みたいな感覚をしていたの。




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