だからこそ、キミは。
『そんなことない…。』
私の方が、佑くんより先生のことを知っている。
昼休みに見せる、先生のあどけない笑顔。
髪をクシャッてやってくれる、温かい温もり。
それは全て本物だと、私は信じているから。
「……美優。」
佑くんがもう一度、私の名前を呟きながら、私の髪を撫でた。
先生と同じように、クシャッと。
先生とは違う、温もりを持ちながら。
佑くんは大切そうに、私の髪を撫でてくれている。