だからこそ、キミは。

曲がりくねった道




「さっきはびっくりしたよ~。まさか美優がいるなんて。」



―…あの時、私と先生を一瞬で不安に陥れたドアの音。


それは、爽くんのものだったらしい。




『……。』



なんて返せばいいのか、わからない。

今、口を開けば、きっと余計なことまでも口走ってしまう。



それでも、爽くんはなんの曇りもなく朗らかに笑うから。


変な感情を抱いていないのだと、どこか安心感を抱きつつあった。




< 304 / 437 >

この作品をシェア

pagetop