だからこそ、キミは。



「…なに、お前、まだアイツのことが好きなわけ?」



私が色々な考えを頭に巡らせていたら、先生がぼそりと呟いた。



見えない、顔。
私の髪しか見ない、瞳。



あの頃よりもずっと、先生のことを知った私にはわかる。



先生、今きっと、妬いている。



『そんなわけないじゃん!』



先生が私の目を見てくれないから、私の方から先生の方に勢いよく向き直った。



そしたら先生はやっぱり、らしくなく拗ねたように視線を逸らしてきて。

髪をかきむしってる姿は、すっごく可愛い。



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