だからこそ、キミは。
……だって、梨花は本当に可愛い。
私に嫉妬しちゃうぐらい、きっと爽くんが大好きなんだろうな。
どことなく梨花と分かり合えた気分の私には、梨花の目が前ほど鋭くないことを、ちゃんと分かっていて。
だからこそ、少しだけ、優しくしたくなる。
『…梨花も一緒に話す?』
「……っ。」
顔を、リンゴみたいに赤く染めて。
まるでそれは、チークを塗ったようにほんのり淡くて。
…やっぱり梨花は、前よりもずっと、可愛い。