だからこそ、キミは。



ここに来て、やっと自分の行動が考えなしだったことを実感する。



だって…、先生の移動のことを聞いて、私はどうするの?

職業柄とか立場上とかの問題で、教えてくれるのかもわからないし。



それに、クラスメートの言ったことが、単なる噂じゃなかったら。


本当だったら、私はどうするつもりだったの…?




「どうした?」



先生が優しく、顔を覗き込むように聞いてくるから。


なんだかその瞳は、全てを受け止めてくれそうで。

…あまりにも、優しくて。



思わず、泣きたくなる。




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