だからこそ、キミは。



好きなんだよ、先生が。
凄く、凄く。



だからこそ、先生のことが知りたいの。


聞いても…、いいよね?



『…っと…。』



“移動するの?”



たった5文字の言葉を言うのは、あまりにも難しくて。


かすれるように、喉の奥からでかかった言葉。


一度詰まったものは、飛び出した時には勢いよく跳ねる。




『移動、するの?』




ねぇ、先生、私。


やっぱり、こんなこと聞かなければよかった。



< 346 / 437 >

この作品をシェア

pagetop