だからこそ、キミは。



先生のお兄さんって、どんな人なのかな。

先生に、似ているのかな。



“兄貴”って言った瞬間の先生の横顔、凄く、凄く、泣きそうな顔してる。




「もしかしたら、今“も”好きなのかもしれない。」

『……っ』




息が途切れて、思わず私が泣きそうになった。


風にさらわれた、先生の黒くて柔らかい髪。

それが頬を隠して、先生の顔はよく見えない。




『……せん、せい…。』



苦しそうな、息づかい。
握られた拳。



全部が、先生の心境を表してる。



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