だからこそ、キミは。
―…また、春の風が吹いた。
もう、3月。
あと少しで先生は、いなくなってしまう。
3月を超えたら、先生に会うことはもう、ない…。
『……っ。』
自然と体が、先生の方に抱きついていた。
報われない想いを抱えて。
先生に飛びかかって。
これは1人で抱えるには、重たすぎる。
『先生…っ。』
私、先生のことを憎めないの。
普通、こんなのないって思うだろうけど。
それでも先生は、私を良い方向へと導いてくれた人だから。