だからこそ、キミは。
だって、わかんないことだらけなんだもん。
なんで私は、ここにいるの?
なんでこんなにも先生に似ている人が、ここに立ってるの?
だいたいここは、どこなの…?
「ここは彰の部屋だよ。」
私は先生に質問を投げかけたんだけど。
答えてくれたのは、先生ではない先生だった。
『えっ…。』
思わず、小さな声を漏らす私。
先生とは違って、黒縁メガネをつけてなくて。
先生にはないほくろが、目尻の横についていて。
でも、あとは全部先生にそっくりで。
…先生のことを彰と呼んだ、その人。
その人は、先生とは違った、目尻を下に下げるような優しい笑顔をこぼす。