だからこそ、キミは。
先生の最後の姿を見ることを拒否した私の心は、ほぼ無意識にサボリへと出向いていた。
ここは屋上。
学校内だから、アナウンスは聞こえてしまうけど。
それでも、この目に先生を映すことは、避けられるから。
『…先生の、バカ。』
今日、遠目に見かけた先生は、白衣ではなくスーツに身を纏っていた。
離任する先生用の花のコサージュを、胸になんかつけちゃって。
いつもより整えられた先生の髪の毛は、なんだか嫌だ。