だからこそ、キミは。
いつもとは違う、指輪のない手でいつもと同じように頭を撫でられて。
先生の胸と、私の頬から伝わる体温は熱くて。
その体温と一緒に、溶けてしまいたいと思った。
先生、私は先生と一緒なら、どんな覚悟でも出来ている。
『……先生。』
ゆっくりと、自分の身体と先生の身体を、引き剥がした。
驚いたようにまばたきを繰り返した彼の瞳に、引き込まれるように目があう。
『…せんせい。
目、閉じて?』
私、これからの未来を、これに賭けようと思うの。