だからこそ、キミは。
『……っ』
肩が、震えていた。
同時に目頭が熱くなって、今まで耐えてきたものが溢れ出して。
痺れたように動かなくなった、右足。
先生の色っぽい喉仏が、目に入る。
――…先生。
あなたは何を考えてるのか、わからなくて。
やる気が、なさそうで。
だけども、生徒の心の奥を見抜ける人。
私を、変えてくれた人。
附に落ちないこともあったけど、それでもあなたは、私を良い方向に導いてくれた人だから。
それは、あなたにしかできなかったものだと思うから。
暗闇から手を差し伸べてくれたのは、あなただったから。
―…先生。
だからこそキミは、愛しいんだ。