だからこそ、キミは。



……正直、ね。


本当はここに来るべきがどうか、凄く迷ったの。




新しいメンバーに、新しい教室。
それに慣れるのは、案外簡単なことだったけど。



彼がいない科学の授業だけは、とてつもない違和感を覚えた。


新しい科学の先生が黒板に字を書くたびに、科学式を説明するたびに。


…先生なら、もっと右上がりの字なのにな、っとか。
こうやって説明するのにな、っとか。


些細なことでさえ、彼の姿を探してしまうの。




だけどあなたは、教室(ここ)にはいない。



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