だからこそ、キミは。



頭を下げながら、私の頭には一つの思考回路がグルグルと回っていた。




『……。』




例えば、さ。



私が自分の全てをさらけ出すようになったら、周りは一体どのように変化するんだろう。



愛想笑いもなくなって。
自己主張が強くなって。



“誰にでも優しく、ニコニコしてる私”がいなくなったら、梨花たちはどうなる?




「…ばっかじゃねぇの。」



床しか見えない視界のなか、ストンと先生が立ち上がる音がした。



思わず上を見上げたその先に、見えたのは冷たい目をする先生。



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