だからこそ、キミは。
“爽くんの気持ちには応えられないよ”
あの日、ボロボロだった私には爽くんのことまでは考えられなくて。
爽くんが傷つくとわかっていても、その場で答えを出した。
…まだ、佑くんと別れたことを受け入れたくなかった私。
爽くんと付き合うということは、佑くんとの“終わり”を意味していて。
あの日、爽くんに告げた気持ちは、自分の気持ちばかりを優先したものだったの。
…それなのに。
「次の休み時間、時間ある?」
爽くんは相変わらず、私に人懐っこい笑顔を見せてくれている。