だからこそ、キミは。
先生の、バカ。
先生の、えこひいき。
よくわからない感情を曖昧な言葉で濁し、先生をキッと睨みつける。
「……どうした、上園?」
まるで、そのタイミングを待ち構えていたように。
私が睨みつけた瞬間に私を見てきた先生は、やっぱり大嫌いだ。
これじゃあ、先生がこっちを見てない隙に睨んだのに、意味がない。
『……っ。』
“気づいた時には、手遅れ”。
この時の私は、溺れかけの魚だった。